「…まだ気づかない?」
その言葉に顔を上げてみると、悠太は顔を左手で隠していた。
手の隙間から見える顔は少し赤く染まっていた。
何がなんだかわからなくて私は口を開いた。
「えっと…何が…?」
そんな私に悠太は溜め息を吐いた。
「さっきので気付いてくれよ…」
私は首を傾げた。
「俺は…」
「うん」
「智香のこと凡人だなんて思わないよ?」
「うん?」
「むしろ可愛いと思ってるし」
「ん?」
「守ってやりたいとか、笑顔にさせたいとか、甘えて欲しいとか、頼って欲しいとか…傍にいたいって思う」
…どういう意味?
私はきょとんとなった。
「…わかってくれよ…」
悠太は左手を降ろした。
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