他愛のない話で盛り上がっているとお化け屋敷を楽しんだ4人が帰って来た。
先程の不機嫌な僕はもういなく、笑顔でみんなを迎えたからかユーヘイがフミナにサッと近づいて小声で、


「何話してたんだよ?」


と、様子を伺ってきた。フミナは僕の方を見ると、


「内緒よ。ねぇ、ジュン!?」

「うん、まぁね」


僕らはニコッと笑った。
フミナと話したことで心に余裕が持てた僕は、カノンの方をチラッと見た。少し沈んだ表情で俯いている。


「カノン?お化けにビビっちゃった!?」


と軽くからかう僕に対しカノンは冷たい態度で、


「そんなんじゃないわよ…」


と僕の目を見ずに言った。僕もカノンもそれ以上話そうとはしなかった。再び気まずい空気が僕らの辺りに漂う。


「そっ…そろそろ占いの時間じゃない?」


カンちゃんがそう言うとユーヘイがカノンに行こうと促した。ユーヘイに対し笑顔で返事をするカノンを見て僕はまた嫌な気持ちが蘇った。

僕らは占いの館がある場所へ行くため歩き出した。僕はカノンのことを紛らわすようにタキとふざけながら歩く。ふざけながらどんどん足早になる足。4人と…カノンと離れていくこの距離が今の僕らを写し出しているようでもどかしかった。