「あのな…遠足ってのは水族館とか美術…」

『美術館なんて嫌だ!!』


見かねたタキの親切心にも聞く耳持たず。


「俺は学校残ってもいいんだ…」

『わっさんは黙ってて!!』


先生の発言もお構いなく2人は一歩も譲らない。


「あの…」


カノンが小さく手を挙げた。クラス中の視線が彼女へ向けられる。
もちろんいがみ合っている例の2人も…。


「遊園地なんてどう?」


そう言って一枚のチラシを広げた。


『遊園地なんて…』


眉間にしわを寄せながらチラシを見つめる2人。


『遊園地!!遊園地にしようぜ!!』


2人が手のひらを返したように意見が一致した。まるでボーリングやカラオケの話なんて最初からなかったかのように。