「いらっしゃいませ」 3人の従業員と 5人のお客さん。 計、8人。 あ、私を入れたら9人。 それにしたって、 少ない客数だ。 最も、その「少人数感」 が、私をリラックスさせてくれるわけだけど。 「りさちゃん、また来てくれたんだ。 今日もアールグレイで良いのかな?」 マスターの飯田さんの渋い声が 私の鼓膜を揺らした。 「はい、お願いします」