虹色パレット

そんなことを考えていると、川原は少し嬉しそうに微笑んだ。

信じてくれたのか?



「驚かせて悪い…」



「いえ…私こそ、勘違いして勝手に泣いて…」



立ち上がって、謝る川原の頭を撫でてやると、何故か俯いたままで止まっていた。


石像のようだ。
覗き込んでみると、顔を真っ赤にさせていた。



…これは…。



「か、川原…」



「わ、私、これからバイトなので!か、帰りますぅ!」



そう言って、走り去った川原。



…え。



まさか…な?