「笹河さん、待ってよぉ!」



「遅いぞ。荷物持ってないくせに」



「妊婦なんだから、優しくしてよっ」



ゆっくりと腹を押さえながら歩く千波。


こっちは、大荷物抱えてんだぞ?

お前のでかいバッグを持ってやってるんだぞ?



「もう無理、歩けなーい」



「もう入口だ。ほら、タクシーもあるし」



「歩けない!」



「…はいはい、ほら」



千波をおぶって、タクシーに向かう。


ちなみに、今ここは空港。


ロサンゼルスで、旅行+用事がある為に来ている。



「ねぇ、どこ行くー?」



「まずホテル」



「ちょっと!何やらしいこと言ってんの!」



「馬鹿か、お前は!」



誰が、やかましくて人を息で吹き飛ばすくらいのお前と…。



「で?」



「美人で可愛くて、世界中の誰よりも心が美しくて世界一の絶世の美女」


「よろしい」