「組長の正面に座るたぁ、いい度胸してんな」


阿波が顔を赤くしながら、組長をガン見している。

組長嫌がってんだろーが。
明らか、困ってんだろーが。



「組長、紀一と席交換してください」



組長が汚れる。

紀一が渋々と席を交換して阿波を睨む。



「早く帰れよぉ。コタツ狭いんだから」



紀一がお茶を飲みながら、阿波を蹴っているのだろう。


その調子だ、と心の中で応援した。


俺は組長の隣に座ることにした。



「もう少ししたら、皆でお参りに行きましょうっ」



沈黙を破って、明るい空気を作り出す組長。

目の前には、ゴツいの2匹と弱々しいのが1匹のせいで、組長に気を遣わせてしまった。