虹色パレット

口の中が血の味がした。
唇を強く噛みすぎた。



「…」



もし、あいつが…会いたくないやつに、今会えると言われたら…。



何て言う?



『信じたその先が間違っていたとしても、あたしは後悔しない。お前も、いずれわかる』



「柳瀬莉奈に……会わせてくれ」



これが間違った選択でも、お前は……きっと許してくれるよな?


踏み出したその先は、俺の未来を変えてしまうようなものが待っていたとしても。



「ちょいとお待ち」



振り返ると、扉の前で険しい顔をしている女…。



まさか…嘘だろ?



「美月…」



あの真っ赤なコート。


大きな瞳。


綺麗な茶髪で、傷んだことのない長い髪。


真っ赤な唇。


白い肌。


汚れのない黒いブーツ。



…人間じゃない。