虹色パレット

苦笑いする組長の背中に隠れる蒼空。

今すぐ、取っ捕まえてやる。即、泣かせる。


「笹河さん、あの…」



困ったような顔でつぶやく、組長。



「え?」



「紀一さんが…」



指差す先は…………。


紀一が先にすき焼きを食べていた。



「お前っ、勝手に食ってんじゃねぇよ!」



「話長いんだもんー。ほら、皆も食べよう」



自由過ぎるこいつも泣かせていいか?

組長が眠った頃に、二人にお仕置きを!


絶対、寝かせない。

ずっと正座させるからな。


「はい、あーんっ」



「自分で食える」



「冷たい…冷たいよぉ、慶ちゃん!」



紀一は、そう言って蒼空に抱き着いた。

死にてぇようだな、こら。