虹色パレット

昔話を20分以上も俺達は聞いていた。

懐かしいな…。なんて思っていたが、ふと思い出して勢いよくキッチンから出た。


「ペチャクチャと…このお喋り小僧めっ!」


ゴツンと頭を殴ると、嬉しそうに俺に抱き着いてきた。



「もっと!」



キモいっ、やめろ!

俺に抱き着いていいのは…。

……蒼空だけ……かもしれない。



「笹河さんと紀一さん、仲良しですね」



組長がふわりと微笑みながら俺達を見ていた。


いやいや、こいつと仲良しだなんて!

俺まで変態だと思われちまう!


「組長、誤解ですよ。こいつみたいなのと…」


「俺達、身体の隅々まで…」


「うるせー!!」



知らねぇよっ、知りたくもねぇよ!