虹色パレット

ガチャガチャと後ろで扉を開けようとしている紀一を無視しながら作った。


さっさと仕事しろよ!
もう業者が運んできただろ!



「…蒼空ちゃんに聞くかなぁぁぁ!」



「何だ、早くここから出ていきたいのか。よぉし、今から荷造りしろよ」



「すみませんでした」



だったら、早く行け。
寒いんだよ。

あー、寒い、寒い。



「じゃあ、後で教えてくれ」



適当に返事をすると、渋々と直しに行った。


…疲れる。あいつがいると、計算が狂う。


リビングから、張り切った紀一の声が聞こえる。


あいつの口、塞ぎたい。