虹色パレット

…考えるな、俺。

蒼空に毛布を掛けて、組長の待つリビングに向かった。


「明日、服やら何やら買いに行きましょうか」


「はい!久しぶりですね。笹河さんとお買い物って」


まるで、遠足に行くのを楽しみにしている子供みたいだ。


そこも可愛い。


こんなこと考えている場合じゃないが、こういうとこ…いいよな。



ガタン。



何かが落ちたのか?

ちらりと、扉のほうを見ると蒼空が立っていた。



「起きたのか」



「その人は…誰ですか?」



「あっ、高梨亜子です…高3で、あっ、組長やってます」



慌てながら自己紹介をする組長。

…口元が緩んでしまうほど、可愛い…。