虹色パレット

しばらく、昔の話や最近の話をしていた。

組長は嬉しそうだった。


俺も組長の笑顔を見ると安心してきた。


そして、家に帰る途中だった。


楽しそうに乗っていた組長も気付きはじめた。


さっきからついてくるバイクや車。

狭い道を通って、やっとついてこなくなると、組長はボロボロと涙を流した。


「組長…」



「ごめんなさい…ごめんなさいっ」



「いいえ。気になさならないで」



俺の家に着くまで、組長は謝り続けた。

俺はただ、『大丈夫』としか言えなかった。



「ここが…笹河さんのお家ですか?」



「はい。しばらく、ここが組長の家になります」



もう組長の家には行かないほうがいいな。