虹色パレット

当たってる。

いや、仕方ないんだ。


「あ、笹河さん、そこ右で…」


「はい」


右に曲がって、すぐに組長の家に着いた。


組長は笑顔で俺の手をつかんだ。


「寄っていきませんか?」


「え…いいんですか?」


「はいっ」



久しぶりの組長の家。


何もかも変わっちゃいない。


入るとき、カシャッという音がした。


振り返ってみるが、誰もいない。


…何だ?


嫌な予感がする。


「笹河さん?」



「あ、はい」



最後にまた振り返ってから家に入った。