虹色パレット

「お願いしますっ」


組長が頭を下げた。


「ちょっ、ダメです!」



「だ、だって…私、組長になりたいんです!」



「…わかりました。負けましたよ」



あぁ。

その笑顔に俺は負けた。


やっぱり、優しい笑顔だった。


普段は、優しくて、おとなしくて、おっとりとしている。

でも、我慢強い。



「じゃあ、明日から来ますねっ」



「はい。あっ、送ります」



「ありがとうございます」



外に出て、バイクを持ってきて組長を乗せた。


寒い…。

けど、背中は温かい。


「風が気持ち良いです!」


「組長はバイクに乗るのは、これで3回目ですよねっ」


「はいっ」


ギュッと抱き着いてくる組長。

ちょっ…ヤバいな。