夜も更けて、親族達が姿を消しても、私は兄と共にこの部屋に残っていた。 私もホテルの一室へ戻るよう両親に促されたけど、わがままを言って受け入れなかった。 後で母が毛布を持ってきてくれたので、私はそれにくるまって、一人で兄の顔を眺めている。 三つ年上だった兄は、産まれた時からすでに体が弱かった。 小学校に一緒に通っていた思い出は数年あまり。 家と病院を行き来する生活が続いて、私が小学校を卒業する頃には、兄は病院で暮らすようになっていた。