翌日――

ゴールデンウイーク初日。

午前中に、石和田さんがパンクを直した自転車を届けてくれる事になっている。


玄関のチャイムが鳴り、一階に下りる。

時刻は午前10時過ぎ。

多分、石和田さんだ。

玄関のインターホンの映像を確認すると――

「……。あれ? 芳野さん……」

インターホンの映像に映ったのは、意外な人物だった。

「はい……。おはよう、ございます」

「……うん。すぐ出るから待ってて」