二人の世界。 宇宙の中の地球という世界は、もうおとぎ話のようなものだ。 ここには、二人の世界しか 存在しない。 君の好きな青い花と、君の好きな青い鳥と、僕の唄と、僕の左手。 ぬくもりでしかない木々と君のワンピースにからだを寄せて。 「消えてゆくのね」 ココナッツの香りは幻で 君の微笑みは、穏やかな声は、夢想なんかじゃなくて。 僕は、泣いた。