・・・・・・
「智咲さん、ここですよ!
いろんな刀がいっぱいあるんですよぉ!」
沖田は嬉しそうに言う。
「へぇ!!
そんなに刀が好きなんですか?」
「ええ。
もちろんです。
刀は武士の命ですから!」
「・・・・そうなんですかぁ。
私も大事に扱わないといけませんね!」
智咲も嬉しそうに言う。
同時に不安になった。
刀を持つということは、
人を斬ること。
そういうことか。
自分の手が汚れる・・・か。
もうすでに
汚れてるけどね。
心の中で智咲は呟いた。
「えぇーっと。
どれがいいかなぁ?
うーん・・・。」
沖田さんも一生懸命自分のために迷ってくれてる。
自分も一生懸命探さなきゃ!
そう思って智咲は自分にあった刀を探し始めた。
・・・!
これ・・・
いくつか刀を鞘から抜き、素振りしてみたはいいものの、
中々決まらない。
でもその中で一番自分の目を引くものがあった。
色は少し朱色に染まっていて、
これからの自分を表しているみたいだった。
重さも長さも丁度いい。
「兄ちゃん、それいい刀選んだね。
脇差もおまけするよ。
どうだい?これにするか?」
店の店主が智咲に聞く。
「店主さん、これ、なんて名前なんですか?」
「あぁ。それは『夕陽』だよ。」
これにしよう、
そう智咲は思った。