「あ、智咲さん。
随分と遅かったじゃないですか・・・て
なんでそんなに髪と衣服が乱れてるんです?」

沖田を見た智咲は一気に涙腺が緩み、
泣き出した。

「ううぅっ、
えぐっぐすっ・・・」

「えっ?!え?!
私何かしました?!
話聞きますから、ちょっと場所移動しましょう?!」

「ぐすっ
・・・はい。」

はたから見れば、
変人である。

まわりから変な目でみられる。

沖田と智咲は近くの神社についた。

「で、どうしたんです?
そんな恰好で。」

「ふぇ、ぐすっ
か、厠に行った後、
知らない男に女だろとか言われて襲われたァー
うえぇぇぇーー
気持ち悪かったァーー」

泣きながら智咲は言う。

「えええ?!
そんなことがあったんですか。
大丈夫でしたか?
すいません、私がついていっていれば・・・」

「ぅぅ、急所思いっきり握りしめてやった。」

沖田はその男が哀れになった。

「一旦屯所に行って土方さんに説明しましょう?」

「ふぁい・・・。」

まだ目に涙を貯めた智咲が上目使いで沖田をみる。

「ほら、そんな顔しないで。
その乱れた服も直してください。」


「あ、
すいません、またお見苦しい所を・・・」

「いえいえ。
そんな見苦しくないですよ」

沖田が微笑む。

智咲は顔が赤くなるのがわかった。

「そ、です・・・か。」