一息つくと、巫女服さんはまたしゃべりだす。



「双子の娘は、流れ人と過ごす一晩が楽しくてなりませんでした。なんにしろ、自分の少し上ぐらいの女の子の話すお話が楽しかったのです。


癖の悪い武士を殺した話。


とある村を壊滅させた話。


性格の悪い女の悪事をばら撒いた話。



どれも双子の娘にとっては、新鮮でなりません。一晩はあっという間でした。



『一晩泊めてくれてありがとう。』



双子の娘は、悲しくてたまりませんでした。また、一人で過ごさなければならないのが。


『一晩といわずに、これからずっとここに居てよ。』


双子の娘は、友達がいませんでした。ずっと閉鎖的に鍛冶屋の残してくれた富で生活し続けていたのです。女の子とお話したよほど楽しかったのでしょう。


『・・・いいの?』


『もちろん。ずっと、一緒だよ』



女の子と一緒に暮らすようになってから、双子の娘の瞳に映る世界は変わりました。


今まではうっとおしい雨も、遊び道具に変わり。

面倒でたまらなかった料理も、楽しい事の一つに変わり。

暇でしかたなかった昼間も、忙しい昼間に変わり。



夢のような日々が過ぎました。


何年たっても、遊び続けました。双子の娘は、成長して何処かへ嫁ぐには丁度いい年頃になりました。


でも、流れ人の女の子は、流れてきた当初から容姿も変わりません。


いつの間にか呼び名が『おねえちゃん』に変わっていました。」





また巫女服さんが一息つく。なんか子供っぽい人だなあ。