「・・・なっ?!」
「・・・・え?!」
今まで声を上げていなかった土方さんと総司が声を上げる。
私は驚きすぎて、声すら出なかった。
「お姉ちゃんのお母さんは、私なの。私が産んだんだよ。だから私の娘なの。でも、お姉ちゃんなの。」
無邪気に笑う巫女服さんは、私の鏡みたいだ。
でもひとつだけ違うのは、右目の下のほうに、泣きボクロがある。
「あとから話すのも、忘れちゃうそうだから今話すね。昔話だよ。何百年も前の、昔話。」
巫女服さんは、一回うつむくと顔を上げて、しゃべりだす。
「昔々、鍛冶屋の一家がありました。鍛冶屋の旦那と、その奥様と、双子の娘と息子。みんな仲良く助け合って暮らしていました。
けれど、旦那が先に、次は奥様。その次は双子の息子が死んでいきました。全員一緒の流行り病に。残るは双子の娘一人。」
どこかで、聞いたことがあるようなお話。
「双子の娘は、悲しみました。これでもかというほど、悲しみました。毎日毎日泣きました。どうしてこれから自分ひとりですごさなければならないのか、と。
毎日毎日自分を一人ぼっちにした世界を恨み続けました。
そんな双子の娘のもとに、一人の流れ人が尋ねてきました。
『お腹がすきました。お願いします、一晩だけ泊めてください。』
双子の娘は、快く承諾しました。」
鍛冶屋の家族の話には、続きがあったんだ。
双子の兄が死んでから終わったんじゃない。娘が死ぬまで続くんだ。



