土方が玄関にたどり着くと、近藤が口から泡を吹いて倒れていた。新撰組の局長でもあろう人が、あまりにも無惨な姿だ。
そして玄関に立っていたのは、原田の怪談話の登場人物。いるはずのない架空の人物。はたまた原田の怪談話は本当だったのか。
太ももまで伸びた漆黒の髪の毛。
一般的な巫女服。
首からぶら下げているのは黒い数珠。
身長、体形ともに15歳もいってはいないだろう。
そして、違うところが。
顔には狐の踊り子のお面をかぶり、
額のところに二、三回まいてある包帯。
「・・・おねえちゃんは、何処?」
やっと開いた言葉は、原田の怪談話どおりの言葉。
「お姉ちゃんたァ誰だ?」
自分でもよくこんな恐怖体験のなかで搾り出せる声がある、と土方は思う。
「・・・いるの。ここに、お姉ちゃんがいるの。でも娘とでも言うべきかな。ここの近くにいるの。」
「・・・お姉ちゃんが娘ェ?」
ますます意味がわからなくなる。
たたたたたたっ
「土方さん!近藤さん大丈夫ですか?」
声がするほうへと顔を向けると、総司と智咲がいた。
「・・・いた。私の娘。そして、お姉ちゃん。」



