「そんなことないですって!勇気を出していきましょう!?勇気100%ですよ?!」

「面白くねぇよ!だってあれだよ目ぇ赤いんだろ?絶対あれだよ本物の鬼の覚醒だよぉー。」


頭を抱えて震えている。先ほどまでの威勢が嘘みたいだ。


「本物の鬼の覚醒・・・?!なんですかーそれは!気のせいですよ!やっぱり黒眼でしたァー!!見間違いでしたァ!」

「ぜってぇちげぇよ逃げるよまじで逃げるよ・・・ッヒィ!!」


ジャキン。

谷口のすぐ横の壁に飛んできた刀が刺さる。


「あーもうマジで無理だよー死ぬよーマジでほんとにー!!」

「さっきまでの威勢はどうしたんスか!!さぁ行きますよ!一緒に戦うん・・・がああ!!」


さっきまで谷口と一緒にいた浪士の頭が握りつぶされる。


「ヒイイイイイイぃ!!!ごごごごめんなさい!!!ごめごごご!!」


いそいで谷口は土下座する。武士の誇りもあったもんじゃない。周りの浪士たちはすべて倒れていた。残るは谷口のみ。


ゲシッ


必死に土下座している谷口の隣に回り、そのまま脇腹を蹴る。


「ガフッ!」


谷口が仰向けになる。その上に馬乗りになり、ひたすら顔を殴る。


「が・・・っごめ、なさ・・ッげフッ・・・」




しゃべる暇もないほど殴って殴って殴って。





もう死んでいると分かっていても、殴る。



不意に、蔵の戸がばらばらと崩れていく。


「御用改め!新撰組である!神妙にお縄に・・・」