すると琉嘉が、


「呉羽、本当に記憶喪失になっちゃったみたいなの……。だから覚えてないみたい。」


「あ、そうなんだ……。」


とみんなは心配そうな顔をした。すると琉嘉が、


「だから今から呉羽に紹介しようかなぁって。」


と微笑み、分かりやすいように、呉羽に紹介してくれた。


「左から五十嵐芽依(イガラシメイ)、間矢部慧(マヤベサトシ)、千歳慶一(チトセケイイチ)だよ。覚えてる?」


と聞かれ、呉羽は首を振った。


すると慧が、


「マジで?!哀しいな。呉羽も大変だな。でも、まぁ、今からいっぱい思い出作ればいいんじゃね?」


と言った。


みんな『そうだね』と笑いあった。


呉羽は嬉しかったが、周りの人が、チラチラとこっちを動揺したように見てくるのが、とても嫌な気分がした。