慧の死体だった。 息の音や、心臓や脈の鼓動さえ感じられない。 『いやぁぁぁ!!!』 そう叫んだつもりなのに、恐怖で声が出てこなかった。 体から流れ出す血はすでに固まっており、至るところに傷口がある。 これは自殺とは思えない。 芽依はそう思い、怒りを感じながら、冷たくなった慧の亡骸に触れた。 その時………