七日間ゲーム



それはテトラポッドのある海だった。


磯の香りがして、涼しくて好きだった。


いつもテトラポッドに座り、魚を探してみたり、『夏になったら泳ぎに来ようね』なんて言いながら、地味ながら楽しさを感じていた。



でも独りの海は楽しくない。


慧が居ないと楽しさなんて感じない。


「ったく、慧ったら、どこを、ほっつき歩いてんのよ………」


と、呟いた芽依の瞳から、すぅっと、雫が流れ落ちた。