呉羽は突きつけたナイフで首筋を切りつけた。


熱い―――……。


その感覚の中、自分の血が飛び散るのが見えた。


意識が朦朧として、立っていられなくなって、倒れた。


でも最後まで琉嘉と一緒にいたい……。


呉羽は最後の力を振り絞り、出来るだけ琉嘉の傍にいたくて、這いずり近寄った。


「………琉、嘉。今……いく」


琉嘉に対して呉羽も優しく微笑んだ。


そしてゆっくり目を閉じた。