もしものことがあったら……? 「……まさかな。どうせ歩いて5分ぐらいなとこだし、急げば大丈夫か……」 と自分に言い聞かせながら、玄関で靴を履いた。 ショコラがフローリングの床を爪でカツカツと音をたてながら急いで走ってきた。 まるで慶一が行くのを止めるように、慶一にまとわりつく。 「………何だよ、もう」 と苦笑しながら、 「お前のご飯買ってくるから待っててな。いい子にしてるんだぞ?」 と身体をわしゃわしゃと撫で回した。 そしてドアを開け、家を出た。