家の門をくぐった時、まだ琉嘉と慶一は来ていなかった。


数分後、二人は無言で、暗めな表情で現れた。


「おはよう」


呉羽はあえて明るめに挨拶をした。


「おはよ、呉羽早いね。どうせ呉羽ん家の前で待ち合わせなんだから中に居ればよかったのに」


と琉嘉が言う。


「別にあんまり待ってないし、いいの。何だか中にいるより落ち着けるんだもん。


中はこれといって理由は無いけど息苦しい感じがして落ち着けなかったの。だから外で待ってよっかなって思ってさ」


と言うと、


「あたしもだよ」


「俺も。」


と二人も同意してきた。

「みんな同じだね………。」


と言いながらまたため息をついてしまっていた。


空気がかなり重苦しくなってきたため、


「……じゃあ行こうか」


と慶一が割り込み、『そうだね』と葬儀場に向かって歩き出した。