優加さんの険しい叫び声はむなしく消えて、 俺と淳の間には。 “パン” と頬をたたいた音と重い空間が流れた。 桜は黙ってその様子を見ていた。 「…最低だよ。 俊が羨ましくて、俺の憧れだったんだよ。 なのに、どうしてだよ。 桜ちゃんと何もないのは分かる。 だけど!それでも!! しっかりとそれを伝えるべきじゃないのか。 何も知らなくて海子ちゃん、泣いてるんだぞ! どうしてそう悲しませんだよ! どうして最後まで、守りぬかねぇんだよ…-っ!」