スーサイドアタック

「佐藤は、女を知ってんのかよ?」谷山は明日、散ろうとしている命の中での満面の興味本意を示した。


『ああ、1人な。』


「ど、どうだった?」


『どうだった?って、聞かれてもな…。ただ、1つだけ言えんのは女ってのは、男と違っていろんな種別に別れてるんだと思うな。』


「種別?どういうことだ?」


『男の懐に入る時は媚びへつらって、本当は薄汚い順序を気にしているくせに、純情な視界でしか話さない女。
そして、本当はどす黒い差別を奥底に抱きながら、美辞麗句しか吐けない女かな…。そんな女に…。』


「そんな女にはどうなんだよ?」谷山の興味本意の視線は脳天すら貫通する程に熱い。


『そんな女に何回突っ込んでも気持ち良くねぇのさ。』



「なんだそりゃ?」



『たぶん、女は気持ちで抱くもんさ。』


「よく分かんねぇや。あ~あ、そんなことより、あんころ餅の雑煮食いてぇわ。」寝転がった谷山の空想の中には、裸体も乳房も何も思い浮かばないのかも知れない。


しかし、そんな女を知ったところで特別な意味はないのだと思い、佐藤も谷山の横に仰向けに寝転がって星空を見上げた。