片道の燃料しか入っていない零戦52型丙が見えてきた。


空は高く青くて、向かう先には薄い雲がぽっかりと浮いている。


佐藤はそんな戦火なんて知らない純真な空を見上げて、間もなくあの中の景色になるべく我々は舞い上がるのだと思った。