「エミリー・・・・・・わかってほしい。君と僕とじゃ住む世界が違いすぎる」
誠司は、エミリーの言葉をさえぎるように言った。

エミリーは黙りこんだ。

「ソンナ・・・・・ヒドイ!! 」
と、エミリーは悲痛な思いで言った後、邸宅へと走りこんでゆく。

ドアの前で振り返ってエミリーは、
「セイジノ、バカヤロー!! 」
と、叫ぶように言って邸宅の中に消えた。


エミリーと別れた誠司は、やりきれない気持ちだった。

エミリーにひどいことをした気もするし、それで良かったような気もする。
笑顔で手を振って別れたとしても、それでどうなるものではない。
別れは別れである。

ただ、エミリーが言った"バカヤロー"の言葉が、ずっと誠司の心に残ったままだった。