「蓮見くんっっっ」 蓮見くんは驚いたような顔をした。 私は少し息を整えながら次の言葉を考えた。 「凜子…、…俺のこと、…怒ってる?」 「怒ってない」 私は首を振りながら答えた。 「あのとき、謝ったのは、その、凜子の初めて、俺みたいな凜子が好きでもないような奴が奪っちゃって、勝手なこと、したなぁ…って」 蓮見くんは制服の袖で真っ赤な顔を隠しながら言った。 「…私が怒ったのは、…蓮見くんのことが、その…」 「?」