「もしもーし」
『もしもし凜子?悪いんだけどさ今向かってる途中にサッカー部の顧問にあっちゃってたっくんつかまってさ、あとから行くから先行ってて』
「え!?佐奈!?」
ツー…ツー…ツー…
佐奈切りやがった。
「どーしたんだ」
蓮見くんの呑気な声がする。
「…。佐奈たち遅れるって」
二人きりって。
ただでさえ今日はドキドキしてるのに。
「そっか。じゃ行くか」
「…うん」
蓮見くんは私を引っ張った。
手、大きい。
「…そんなに俺と二人は嫌か?」
「え?」
「違うんだったらンな顔すんな。気分悪くなる」
「ぇ…ゴメン」
怒らせちゃった?
「嫌われてんのかと思うだろ」
…なんか、またキュン?


