バス恋


『じゃぁ入部届け
書いたら今日は
帰っていいよ』

と優先輩はいった

『はい』

とだけ彼方はいって
骨張った長細い指で
文字を書いている


文字書いてるだけなのに
きれいだなって
初めて思った―――――



『伊世先輩?
書き終わりました』

『あっあぁー
ごめんね
じゃぁ私が部長に
渡しておくね
彼方は帰っていいよ』


『はい 分かりました
伊世先輩さようなら』



それだけいうと

彼方は帰っていった