猛獣に射抜かれる様な愛



「こ、こんな山奥、救急車は直ぐ来るのか!?」



仁は半ば混乱状態のまま辺りを見回す。確かにこの様な山奥、救急車が直ぐ来るとは思えないと一同は口を閉じた


沈黙を破ったのは矢斗だった




「…このまま病院へ連れて行く。結菜着いて来い。それ以外は全員、署で待機しておけ」




駆け寄って来た矢斗は魁の頭を動かさぬ様、膝裏と背中へと腕を回せば軽快に横抱きし己の車へと向かう


結菜は直ぐさま矢斗に次いで車へ向かえば先回りし後部座席のドアを開け中へと入る


矢斗は魁の頭を慎重に注意しながら後部座席へ魁を乗せ頭を結菜の膝上へと乗せる様にし魁を横たえた


他の隊員達はただただ見ている事しか出来ずに、魁の身を全員が按じ車を見送った。