「奈未が心配することじゃねぇよ、大人しく寝てろ…」 やめろ。 『ごめんね』なんて言うなよ。 奈未の『ごめんね』なんか聞きたくない。 「悠吾くん。ちょっといいかしら?」 奈未のおばさんが申し訳なさそうに俺を手招きして先生が待っていると言う個室に連れてこられた。 ツンと鼻にくる臭いが俺を包む。 カルテをバサバサとめくったあと椅子をくるりと回転させ俺たちの方に向き直った。