あれから…そう…藤堂さんに告白されてから、あたしは毎日足繁くグランドに行った。藤堂さんの姿を見る為に…


ある日…何時も通り自分の教室に入った。
「おはよ~☆」
(ひそひそ)
何か何時もと違う。
「あっ!小夜子!おはよ~☆」
何時もなら駆け寄って来る小夜子に無視された。(えっ?何?小夜子に無視された…)
教室を見回すと…
みんなあたしから離れて行って完全に孤立した。あたしは泣きたく成って教室を飛び出した。
必死で走って屋上へ向かう。(あそこなら1人に成れる。思いっ切り泣ける!)
「ハァハァハァ!」
屋上に着いたあたしは人目に付かない所で大声で泣きじゃくった。
「うっうっうっうっ…」(何で?何で?何でなの?)
頭がパニックだ。何でこんな事に成ってしまったんだろう…と…冷静に考えて…気付いてしまった。(あっ!もしかして藤堂さん…)
そう…あの日…藤堂さんに告白されて、付き合い始めてから何かみんなの様子がおかしかった事を思い出す。
(何で気付かなかったんだろう…あたしって本当バカだよね…)
藤堂さんに告白されてから毎日サッカー部の練習を見に行って終わるのを待って一緒に帰る日々が続いていた。
それがどれだけ目立つかも考えずに浮き足立っていたあたし…
また涙が出て来た。
「うっうっうっ…」
「ガタッ!」
(あっ!誰か来た!ヤバい!)
あたしは泣くのを止めて素早く物陰に隠れた…つもりだった…
「英里那!どうしたんだ!」
(えっ?この声…藤堂さん!)
「また泣いてんのか?」「藤堂先輩…!」
藤堂さんの顔を見ただけで涙が溢れ出して止まらない…どうしよう…
「藤堂先輩…聞いてもらえますか?」
「んっ?何だ?英里那の言う事なら何でも聞くぞ!!」
(うっ!優しい…)
「今日教室に入ったら何か何時もと雰囲気が違って、親友の小夜子に話し掛けても無視されたんです。」
「何でなんだ?」
「多分なんですけど…藤堂先輩と付き合い始めてから何かおかしかったんです。」
「おかしかったって何が?」
「みんなのあたしに対する態度が…」
「何だよ!!それいじめじゃん!?」
「そう、いじめなんです」
「何でそんな事に成ったんだ?」
あたしは本人を目の前にして言いづらかったけど思い切って言った。