「……にゃあ」
段ボール箱の中に居たのは、どう見ても、猫では無かった。
「にゃあ、にゃあー」
似せる気も全く無い猫の鳴き真似を聞きながら、私は声も出なかった。
その段ボールの中に居たのは、一人の男の子。
丸く大きな瞳は、少し潤んでいた。
その目で私をじっと見つめるから、ついドキドキしてしまう。
ふわふわしてそうな黒髪は、たぶん、猫っ毛だろう。
まつげも長いし……美人さんだなぁ。
「……ねえ」
放心状態の私の耳に、男の子の声が響く。
「ねえ、聞いてる?」
「は、はい!?」
慌てて返事をしたら、その子はにっこり笑って。
私は、あ、笑うと可愛いな、なんて考えていた。
「拾って?」
段ボール箱の中に居たのは、どう見ても、猫では無かった。
「にゃあ、にゃあー」
似せる気も全く無い猫の鳴き真似を聞きながら、私は声も出なかった。
その段ボールの中に居たのは、一人の男の子。
丸く大きな瞳は、少し潤んでいた。
その目で私をじっと見つめるから、ついドキドキしてしまう。
ふわふわしてそうな黒髪は、たぶん、猫っ毛だろう。
まつげも長いし……美人さんだなぁ。
「……ねえ」
放心状態の私の耳に、男の子の声が響く。
「ねえ、聞いてる?」
「は、はい!?」
慌てて返事をしたら、その子はにっこり笑って。
私は、あ、笑うと可愛いな、なんて考えていた。
「拾って?」

