だいぶ暖まってきたところで、私はネコについて聞くことにした。

「ねえ、どうして公園にいたの?家は?」
「んー……わかんない」

「何してたの?」
「凍えてた」

「じゃあ、どこから来たの?」
「……空?」

意味不明な返答に、私は大きくため息をついた。
これじゃあ何もわからない。

悩む私の横で、ネコは大きく欠伸をした。
「南智ー」
眠たそうに、目をトロンとさせている。

「何?」
「眠いー」
「……じゃあ、寝ていいよ。今布団しくから……」

そう言って押し入れに手をかけたとき、後ろから手が伸びてきた。