~爽風サイド~
入学式の日。
俺は出会った。
運命の女の子に……
はじめは全くきずかなかった。
ただあいている席の隣にあの子がいただけだった。
本当にただの偶然だったんだ。
―――――――――
ホームルームが始まって、
担任が出席をとりはじめた。
『結城 春花』
その名前が呼ばれたときに隣の席の子が「はい。」返事をした。
その時初めて、彼女を真っ直ぐ見たのだ。
すごく綺麗な声だった。
綺麗に整っている可愛らしい顔。
柔らかそうで思わず触れてしまいそうな栗色の髪。
細くて長い指。
その瞬間、僕の心はカチッと音をたてて僕の世界に色がついた。
