~爽風サイド~


春花に呼び出された時刻から


もう何分過ぎただろう。


行きたい。けど行けない。


もし行って、春花に「嫌い」なんて言われたら


俺はきっと壊れる。


はぁ…きっと春花待ってるな……。


心ではこう思ってるのに


行動出来ない弱い自分がいる。


「えっ、爽風なんで普通に部活やってんだよ!」


「春花と話してるんじゃないの!?」



春花と仲のいい二人が俺に言い寄ってきた。


「あの…、だって…俺春花に嫌われてるかもだし…」


「は?それ春花から聞いたの?」


うっ…それは……


「き…聞いてないけど」


「あんたは一生春花と話せなくてもいいの!?」


それを聞いた瞬間、俺の中のなにかが動いた。



「……行ってくる。部長に言っといて!!」


「「了~解~。」」



春花………。俺は春花に嫌われても


春花を嫌いにはなれない。


全速力で春花の待つ図書室へ向かった。