~結城サイド~
結局昨日はイロイロ考えすぎて
あまり眠れなかった。
学校に行く準備をして
外に出た。
……………なんで?
目の前に望に見える人が自転車で通った。
ドキン。
目が合った。
やっぱり望だ…
先に口をきったのは望。
「おはよう」
「おはよう」
「春花、徒歩通なんだ?」
「うん…ちょっと遠いけどね。」
何気ない会話。
朝から話せるなんてうれしいな…
「じゃあ、二人乗りしてく?」
「えっ、いいの!?」
「春花が嫌ならいいけど…どうする?」
「嫌じゃないよ!…お願いします。」
「じゃあ、乗って?」
ドクン、ドクン
心臓の鼓動が高まる。
「しっかり捕まってないと、落ちるよ?」
え…これ以上近づくの?心臓の音が望にきこえちゃうよ……
そう思いながらも、望のシャツの先を持つ。
「……じゃあ行こうか」
そういうと、望はものすごいスピードで走りはじめた。
「ちょ…望、こわいよ…落ちちゃいそう」
そしたら望はニヤッと笑って
「俺、出発する前にしっかり捕まってないと落ちるよっていったよね?」
(……………S?)
そう思いながらも
「ゴメンなさい。こわいからスピード落として?しっかり捕まるし。」
すると望は笑顔で
「うん。女の子は怪我したらお嫁にいけなくなっちゃうよ。」
そういってスピードを落としながら、
「まぁ、お嫁にいけなくなったら俺が春花をもらいにいくけど(笑)」
……………ぎゅう。
しっかり捕まった。
と言うより抱きしめた。
望の言葉がたとえ冗談だとしても
たまらなく嬉しかった。
抱きしめずにはいられなかった。
