「…………へ?」
私は振り返って太陽くんの顔を見る。
太陽くんは
憎いくらい綺麗に笑った。
「どんな藍も大好きだよ」
……太陽くんはズルイ。
「………私も大好きっ」
私は太陽くんに抱き着いた。
太陽くんの匂いがする。
幸せだなって思う。
少し体を離すと
重なる、視線
目を閉じるのとほとんど同時に
降ってくる優しいキス。
…………私、世界一の幸せ者だ。
長い長いキスのあと
時計を見ると0時10分。
…あ、日にち変わってる。
太陽くんを見ると
ふわっと笑いかけてくれた。
私はカレンダーに目をやる。
「太陽くん、今日って………」
「……これから先も離さないから」
私の言葉を遮って
太陽くんは
私を抱きしめる。強く強く。
普段、
好きなんて言わない彼が
言ってくれた理由が
ようやくわかったよ。
今日は付き合って1年の
大切な大切な記念日。
「太陽くん、だいすきだよっ」
「…………知ってる」
end

