「……不細工で悪かったわね!」
「いや、だってさ
鏡で見てみたら?今の顔」
側にあった鏡を渡され
促されるままに鏡を覗きこむ。
わっ!確かにこれはひどい……
瞼が少し腫れてる。
そのうえ鼻水かみすぎて
鼻真っ赤だしっ!
「………不細工でした」
「だろ?」
そう言って少し馬鹿にしたように
太陽くんは笑う。
「………でもでもでも
不細工って言うなんてひどいっ」
口を尖らせ太陽くんから目をそらし、
ちょっと拗ねた私。
「………………藍ちゃん」
無視無視無視!
「………………藍」
そんな甘い声で呼ばれても
無視無視無視!
………太陽くんなんて
もう知らないんだから!
私は太陽くんを無視して
リビングからキッチンへと
移動しようと立ち上がろうとした。
「…そんな不細工な顔でさえ
可愛いと思う俺は重症かな?」

