「なぁ、ひとつ聞いていいか?」

「だめ。」



間髪いれずに返答する。


不満げに話しかけてくる悠斗と、とにかく会話を繋げないように振る舞う、悠斗以上に不満顔な私。


とりあえず今、二人に共通していること。


それは、この不満顔と、…手に持っているほうき。


あ、私はちりとりも持ってるけどね。



「なんでこんなことになってんのかなー」


私に相手をしてもらえない悠斗が、とうとう一人勝手に語りだした。



「美紅はともかくさぁー。俺そこまで先生に怒られるようなことした覚え、全くないんですけどー。」



イラッ。


ピク、と眉が動いたのが自分でもわかった。



「俺ちょーっと廊下走っただけなのにさ。なんで居眠りして廊下立たされてまた居眠りして廊下走った極悪犯と同じような罰うけなきゃなんねーのー?」



それを知ってか知らずか、愚痴り続ける悠斗。