ぱち。


目を覚ますと、そこにはたくさんの顔、顔、顔。


ぎゃっ!?


と思わず飛びあがる。


――つもりだったんだけど。


どうやら自分は横になっていたらしい。


ガバッと起き上がる形になったので、かえってそのたくさんの顔に近づくことになってしまった。



「えっと…。なに…?」



かろうじて言えた正直な感想。


しかしながらそれも見事に無視された。


まわりの人は私の問いかけに答える様子もない。


それどころか、一人一人がバラバラにしゃべっていて、なにを言っているのかもよくわからない。


もう一度尋ねてやろうかと思った瞬間、そのなかの一人が大きめの声でなにか言った。



『ほんっとによくそこまで寝れるよなぁ。』



さっきとは違い、はっきりと聞こえたその一言を私は聞き逃さなかった。


って!!


私、また寝てたの!?