屍都市Ⅱ

ドアの鍵をかけ、榛原がほんの数歩進んだ直後だった。

カチン!

「?」

軽い金属音が聞こえ、榛原は思わず振り向く。

その目に飛び込んできたのは、ドアを開けて入ってくる天坏の姿!

「なっ!」

その姿に驚愕せずにはいられない。

馬鹿な!

確かに鍵をかけたのに!

このオッサンどうやって入ってきやがった?

「くそっ!」

今度こそ閉じ込めてやろうと、榛原は走る。

またドアを蹴り飛ばして閉じ、今度こそ確実にドアをロックする。

自らドアノブを捻り、確実に鍵が掛かっている事を確認した。

これで完璧に閉じ込めた。

もう絶対にここを開ける事は…。

心の中で榛原が呟き終わらないうちに。

カチン!

天坏は再びドアを開けて入ってくる!